2008年11月25日

『"エロ事師たち"より 人類学入門』

はじめて入った浅草の中映劇場
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ひなびた映画館の近くにあった看板↓
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娼婦が多いってのが凄いね。
立ちんぼのババアのことだべなぁ。

さて観たのはこれだ。
『"エロ事師たち"より 人類学入門』
(1966年/日本/128分/日活)

エロ写真、ブルーフィルム、妖しい器具…多色の猥雑で生計を立てる裏街道の人間たち。日本人の性意識を鋭く抉った野坂昭如の処女作を、今村×小沢コンビが完成させた型破りのホームドラマ。キネマ旬報主演男優賞ほか受賞。

監督・脚色:今村昌平
原作:野坂昭如
出演:小沢昭一、坂本スミ子、近藤正臣、佐川啓子、浜村純


第1回したまちコメディ映画祭in台東
http://www.shitacome.jp/
このイベントの特別上映で、小沢さんの挨拶があった。

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今村さんとは学生のころから芝居を一緒にやっていたものですから。
もうしつこい映画監督で、粘り強いと言えば聞こえは良いのですが(笑)、ただしつこいというだけで。(笑)
映画見ていただければわかりますが、殿山泰司さんとお風呂の箱(蒸し風呂)に入っているシーンがあるんですが、窓の外で鳩が飛ぶシーンがあるんですが、是非ご覧になってください。鳩がパーッと飛ぶんですけど、鳩はギャラ貰ってないですからね(笑)。監督の気に入ったように飛ぶわけはないですよね。助監督さんがいっぱい鳩を用意して飛ばすんですが、どうも監督気に入らないんですよね。
そんなんで、もう一回、もう一回と鳩を飛ばして、みんな逃げちゃったんですね鳩は。それで結局3日かかりました。
助監督さん大変ですよ。鳩を大量に購入しては少しずつ離すんですから。
「数が少ない」とかね「もっと真ん中に飛ばすようにしろ」とか…。そんなこと言われてもねぇ(笑)
そういうわけで、とても粘り強い、そしてそれが映画で活きているんですね。
あの人は動物が好きで。たしか鯉かなんかがこの映画に出てくると思います。
今村さんは、実は2枚目なんですよ。朴訥な2枚目でね。なかなか良い芝居をやる。演技力がないわけじゃないんです。だから自分に心得があるから、役者の何と言いますかねぇ、やりぐせなんかよく知っていましたねぇ。
だから西村晃さんになんか、
「コウちゃん目を動かしちゃだめだよ」
西村さんはジロッと目を動かすのがうまいんですが、この映画は目を動かさないでくれって。そんなことできるのかなぁと思いましたけどね。一所懸命、西村晃さん目を動かさないで、確か助演男優賞をお取りになったはずです。
僕の場合は、「このエロ事師は、エロ事師と思わないでくれ、小学校の校長先生のつもりでやってくれ」(笑)
そういう演技指導がありました。
つまりエロ事師でやると、出たときからエロになってしまう。そうでなくて、みんな生きようと一生懸命にやっている姿をだすんだからということなんでしょう。そんなことは監督の口からは出ませんが、一言だけ「小学校の校長先生で行こう」。
役者にとっては有難いですね。
あの人は自分の仕事を重喜劇と言います。
どうですか重いですけどご覧になってください。(笑)

進行役の品田某評論家、小沢さんの話を訊くどころか、自分の話ばかり。小沢さんの話を遮って話すわ、終いには三國連太郎の話がエンエンと(それはそれで面白いのだが)……。
上映前のたった15分でまとめろって言われてもまとまるわけナイと小沢さんヤンワリと抗議しておりました。


そうそう、今月の雑誌『映画秘宝』にも小沢さんのインタビューが掲載されてましたね。
あのね、何か世間は“アドリブが利く”っていうのをとっても腕があるみたいに思うらしいけど、そんなものは誰だってやれるんだよ。センスさえありゃあ。そうじゃなくて、脚本のとおりやってアドリブに見せるっていうのがね、我々の腕の見せどころ。そういうことは一般の人も、評論家だってわからないからね。それとやっぱり監督との相性だよ。映画って監督が作るもの。だから演技賞なんてあれ、みんな監督がもらうべきなんだ。いい脚本、いい監督で、いい役だったら、たいてい賞はもらえるよ。でも悪い脚本で何とかして役者が面白くしたっていうのは認められないんだな。ぜんぜん認められない(笑)。ダメな脚本もあるからね。しかもひどい監督で、それで何とかしようと一所懸命やったやったのは、見抜けないんだ。そっちのほうが演技賞だと思うんだけど。いい監督のところでいい役やってりゃ、誰でももらえるよ。いや、誰でもなんていうと語弊がありすぎるけど。でもまぁ、そうなんだよね。

小沢流の、かなり辛辣な批判ですな。スマップごときが主演やってる反戦?映画のことですかねぇw

さて、肝心の映画だが、これほど必死に生きる人たちを嫌らしくなく撮ったのは、イマヘイならではと思う。
しかも全盛期の日活で、よくこれだけの作品を撮らせたものだ。
舞台は大阪のどぶ川地域。
これでもか、これでもかと続く貧困の情景で、人々は逞しく生きている。そしてオメコもねっとりやっちょる。
ガラス越しの撮影も興味深い。
それにしてもだ、坂本スミコのイヤラシサには圧倒された。
小沢さん曰く、
「ベッドシーンはホンキでやらないことが肝心。でも三国さんはホンキでやっちゃうんですから」

浅草六区の街路灯から……。
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待合室って喫茶店が浅草の気分だなぁw
posted by 死ぬのはやつらだ at 01:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画/邦画・アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
浅草中映といえば洋画専門だとばかり思っておりましたがこんなユニークな催しもやるようになったんですねぇ。それにしてもここで1本1200円とは法外な値段!(笑)しかしゲストの方々のお話しを聞けるというだけでも充分に価値はあったことでしょうね。
Posted by 亜凡怠夢 at 2008年11月25日 13:20
原作者である野坂昭如氏も、何かとスキャンダラスな小説家でありましたが、今日11月25日は、たぶん昭和史上最もスキャンダラスな小説家だった三島由紀夫氏が防衛庁に突入、割腹自殺した「憂国忌」です。(1970年のことでした)
Posted by natunohi69 at 2008年11月25日 16:05
今村昌平監督作品とは、いまいち相性良くないけど、エロ事師たち は観たい作品!
いいなあ!小沢昭一さんと品田さん対談付き!
(品田さんは もと、ちろが居た書店に、たまに来てたよ 笑)
ちろにとって、暑苦しい(別名、エネルギッシュ 笑)邦画にはおおまかに分けると2種類あって、
(厳密にはもっと細かく分けられるケド)その暑苦しさを 愛せるか、愛せないか、なんデス。
今村監督の暑苦しさは、ニガテ・・・。けど、これは凄い面白そう!観なかったの後悔しそうだよ(泣)。
ぜひ!銀幕で!ううう・・・(泣)。
Posted by ちろ at 2008年11月25日 21:37
>「待合室」
店名も去ることながら「ミュージック・ラウンジ」ってのがまたイイですね。
タバコ片手にポーズを決める三波伸介がカッコイイなあ!
息子は劇団やってるんでしたっけ?
Posted by やきとり at 2008年11月26日 00:09
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