2008年04月27日

冷戦時代のソ連脅威論はまったくのウソであった【防衛省OB太田述正・元仙台防 衛施設局長】

太田述正さんがいわゆる冷戦時代の「ソ連の脅威」に関する重要な証言を皮肉たっぷりにしている。

太田さんとは、昨年末に防衛利権の国会議員による口利きを実名で暴露した人だ。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_11/t2007112033_all.html



以下、先月末に行われたASAGAYA/LOFT Aでのイベント。
「三菱重工の正体と自衛隊の本質」より。



ソ連の脅威ってのは無かったんですね。逆に私がいろんなところで(ソ連の脅威が無かったことを)強調しているのですが。それは(ソ連にとって)日米の脅威だったんです、すべて。
ソ連にとって一番弱いところは、極東部なんです。今も基本的なところは変わっていないのだけれど、なぜかというと、シベリア鉄道一本だけで結ばれている。人口も稀薄で、産業基盤もものすごく脆弱でしょう。逆に日米は、そのような場所に高度な産業が発達していて、米軍も駐留し、その米軍戦力と遜色ない自衛隊が存在している。
実際、米軍はソ連との戦争に関して、ヨーロッパで遅滞作戦をしながら時間を稼ぎ、極東の日本を拠点として反攻をする。そういう戦略をとっていたんです。
私も最初は驚きました。ソ連の脅威がすごいと言われた極東で、日米が反攻作戦をとる、というのはどういう事なのかと。
実際に、防衛庁内で、北海道にソ連が上陸作戦を行った場合の図上演習をいろいろやっていたのだが、いつも自衛隊側が優勢になってしまう、米軍を無視しても。
そういう状況だったのです。
そんななかで、自衛隊創設直後から、ソ連による日本侵攻を想定した「日米共同作戦計画」が、自衛隊と在日米軍の間で毎年作られていた。日本が有事の際は、米軍が助けに来てくれるシナリオになっていたが、これは助けじゃない。ソ連領土に日米で反攻するのだから。
防衛庁はそんなウソをついて、ソ連脅威論を唱える文化人の発言をほくそ笑んで見ていたんです。
実態はまったく逆なんです。ソ連が日米の脅威に慄いているんです。
だから護衛艦の役目なんてほとんどないんです。
ソ連攻撃の際に、米海軍の空母を潜水艦の脅威から守るぐらいしかないのです。
(中略)
私は、内部告発をしているつもりはないんです。現状はこうなんです。まさに期待通りの自衛隊なんです。ご安心ください。憲法9条は守られています。(戦争には)何の役にも立ちません。
そして、防衛庁の中には、一般社会で通用するような人は1人もいません、みなさんの期待通りに。

予想通りというか、なんというか…結局「ソ連の脅威なんてなかった」ってのはガックリだ。
80年代「ソ連脅威論」が元統幕議長来栖弘臣の「仮想敵国ソ連−われらこう迎え撃つ」や中川八洋の馬鹿げた本でブームとなったことを思い出す。

太田さんのいうところの「期待通りに戦争に役に立たない自衛隊」ってのは、装備に関してその通りだよね。
いまは、「中国脅威論」ってのがあるけど、どう考えても、日米がお得意先である中国が戦争するわけないしなぁ。

「中国脅威論」ってので、ほくそ笑む三菱ってのがホントウのところじゃないの?



ラベル:日米安保 自衛隊
posted by 死ぬのはやつらだ at 02:16| Comment(8) | TrackBack(2) | 防衛問題 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
北朝鮮や中国が韓国攻めたけど
侵略行為は失敗だ
でもそいつは当たり前
でもそいつは当たり前
でもそいつは当たり前
はい冷戦期ー
本当の驚異はアメリカに在りぃ
Posted by 汚島わるお at 2008年04月27日 06:38
いつの世にも「管理された危機」は必要とされ、一般大衆がそれを鵜呑みにしている図は滑稽としかいいようがない。少し旧い本であるが、ジョン・ バロン(反共主義者だったそうだ) 著 「ミグ25ソ連脱出:ベレンコは、なぜ祖国を見捨てたのか」 パシフィカ 1980年 を読むと当時のソ連軍のお粗末さが手に取るように見えて来る。
差し詰め、現在は北朝鮮と中共の脅威ってか。軍需産業の皆さん、精々金儲けに励んで下さいな。
Posted by 亜凡怠夢 at 2008年04月27日 08:48
20年以上前の世論には本当にうんざりきました。
 私は道東在住ですがキチガイマスコミの言うことを真に受けて順調だった商売をたたんで九州に移住してしまった自営業者まで現れましたよ。いい迷惑でした。
 内地の人間と話していて自分の出身地を明かすと「そんなソ連に占領されそうな土地に住んでいて怖くありませんか?」なんて真面目な顔をして訊いてくる人も多かったですしね。

 以来マスコミは信用していません。朝鮮や中国の脅威論だってかつてのソ連脅威論の焼き直しだと思っています。まあ、同じ手口に二回も引っかかるお人好しというか自分の頭でものを考えられない人って結構いるわけですね。
Posted by 非国民2号 at 2008年04月27日 14:52
>ミグ25
当時、ソ連最強の戦闘機と言われた機体。函館空港に亡命着陸したとき、「電子機器に真空管」って報道を知り、「ソ連軍はオーディオマニア」かって思いましたw すぐに発売されたハセガワのプラモを作りましたよ。

>道東
当時は、北方領土からの上陸作戦などという絵空事も真面目に語られていましたね。
北朝鮮や中国の脅威を煽っておいて、戦車師団の中枢は、いまだに北海道に置いているのですから、自衛隊は期待通りの役立たず軍隊というわけです。
Posted by 死ぬのはやつらだ at 2008年04月28日 00:12
>戦車師団の中枢は、いまだに北海道に置いているのですから
対ソ用に作った本州では使えない様な小回り効かないデカイ90式戦車が主力なんで、
北海道に置いておくしか仕方ないみたいですな
そもそも日本国内で有事に戦車使わなくちゃいけない状況になったらもう終わってると思うんですがねー
(これについては諸意見あるけど)
それはそれとして本州でも使える新型戦車(もち三菱重工製)が2010年から配備されるようですな
それで戦車師団も全国に万遍なく(?)置かれることになるのかもね
Posted by ike at 2008年04月28日 11:13
>対ソ用に作った本州では使えない様な小回り効かないデカイ90式戦車

日共が指摘していますね。
「 それから、一両八億円もする九〇式戦車、これは九十一両導入であります。
 九〇式戦車というのは、御承知のように重過ぎて、五十トンもあるということで、一般の道路や橋梁では通行できず、運用が非常に困難視されている装備でありまして、しかもなお、国内では射程が長過ぎて実弾演習ができず、アメリカに行って実施しているという代物ですね。
 この九〇式戦車に対する世論の批判を気にしてか、防衛庁は戦車の小型軽量化を言い出しているわけですが、私は、こういう九〇式戦車を、ソ連脅威論があった今日からその延長線上でずるずる続けて膨大な軍事負担をふやしている、むだの象徴だと思います。
 一体何のために、どこにそういう九〇式戦車を配備するのか。
九〇式戦車については導入を中止して浪費を改めるべきだ、このように考えますけれども、防衛庁長官、いかがですか。」http://jcp-akamine.web.infoseek.co.jp/data/date05-18.html
Posted by 死ぬのはやつらだ at 2008年04月28日 21:28
>80年代「ソ連脅威論」が元統幕議長来栖弘臣の「仮想敵国ソ連−われらこう迎え撃つ」や中川八洋の馬鹿げた本でブームとなったことを思い出す。

アニメでも「宇宙戦艦ヤマト3」にソ連を模した「ボラー連邦」が登場したり、「近未来戦争198X」などという愚作が作られたりしましたね。

>防衛庁はそんなウソをついて、ソ連脅威論を唱える文化人の発言をほくそ笑んで見ていたんです。

>朝鮮や中国の脅威論だってかつてのソ連脅威論の焼き直しだと思っています。

横丁の御隠居レベルで「国難」を煽る「蚊化人」の体質は全く変わっていないようです。
Posted by ストライカーボルト at 2008年04月28日 22:52
>ミグ25
>「電子機器に真空管」
 真空管は核爆発のEMPに強いんですよ、という苦しい言い訳
Posted by 蟹型円盤 at 2008年04月29日 16:20
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