日本では「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督と紹介されているが、俺の中では「エイリアン2」のキャメロンなんだ。
そのキャメロンが12年ぶりの新作として出したこの映画。文句なく2度見たい映画だ。もちろん3Dでね!
上映前に3Dグラスが渡される。これはメガネの上からもかけられるようになっている。
最初は3Dに慣れる時間がいるが、すぐに慣れる。そこからが別世界。とにかく立体感というか、臨場感があって、架空の惑星パンドラに自分が立っているような錯覚におそわれる。
パンドラのジャングルの細かい設定が素晴らしく、生態系まで考えられているかのようだ。
ストーリーは、特に深いものはないが、資本主義の手先として海兵隊を送り込み先住民族を浄化する、というアメリカ合衆国の歴史が集約されているような物語だ。
これは、すべての小中学生に観せるべきだ。そのあとで徹底的に鬼畜米英の歴史を教え込むべきだろう。
アバターにはそんなサブテーマがあるんですか。
じゃあポール・バーホーヴェン監督の世紀の大傑作B級SF超大作、「スターシップ・トゥルーパーズ」と並んで見せるべきですね。
宮崎駿の「風の谷のナウシカ」テイストの巨大昆虫や一部ストーリーをパクリつつ、けして虫と人間は和解せず、虫と交信できる超能力者が虫の王が人に怯えていることを読み取り「人間の勝利だぁっっ!!」と虫の惑星クレンダスで侵略してきた兵隊とともに雄叫びを上げるシーンの糞ッぷりは最高です。
ヒロインがゲロを噴出す、実験のため惑星昆虫に殺される牛にはモザイクがかかるのに移住した宗教者たちが虫に襲われて皆殺しにあい身体がバラバラにちぎれ放置されているニュースは一切モザイク無しなど、残酷の基準が社会規範の有り様によって異なる現代を皮肉っていてホントに面白い。
お子たちにはぜひとも人間の所業の無情さを善行と信じて疑わず、悪行三昧の無間地獄に突き進むアメリカの【正義】の後味の悪さを教えてあげて欲しいものですね。
キャメロン監督は、マイケルムーアやオリバーストーンとは違う感じで、アメリカ帝国主義を批判したんでしょう。
「宮崎駿の世界にガンダム参上」そんな感じでもありました。