http://www.magazine9.jp/taidan/007/index1.php
右翼は性善説なんでグルリ廻ると左翼の性善説と同じなのだと再確認した。
以前からヒネクレタ俺だったが、どん底の生活に堕ちた者として、最近は、全面肯定はしないが、西部邁のやけにヒネクレタ視点というものも共感できるようになった。
それと云うのも、ケーブルテレビの朝日ニュースターでの佐高信との対談番組「学問のすゝめ」が面白くて思わず西部の言説に頷いてしまうことが多いからだ。
西部は「産経」に代表される「ニセ保守」を「反左翼」と定義している。
実質的な西部の私物雑誌である「表現者」27号に宮崎親分との対談が掲載されていて田母神について言及していた箇所があったので紹介したい。
僕は反左翼を全般的に疑っていたけれども、反左翼はこの程度のものに、興奮したわけではないが、興奮したふりをするぐらいに、自分らを支えられないのか。情けない人々が反左翼とかいう人員には多いんだなと思いました。読んでみれば、中学生級の作文で、しかも矛盾だらけなんです。
これは宮崎さんと意見が合うかどうか分からないまま言ってしまいますが、例えば日本は侵略国家であったのか。でもあの当時は、別に戦争を弁護するという意味ではなくて、歴史を振り返れば、あの当時の「一等国」と自称し他称されていた国々は、必ず侵略することになっていたんです。逆に、あの段階で侵略国家でなかったということを言うと、日本が一等国でなかったのかもしれないけれども、そんなことにすら気づかないところから始まって、それに続いたのが、僕は呆れたけれども、結局、中国国民党には色んな左翼コミンテル派のスパイが入っていたという、要するに陰謀史観を言う。当然、そういう陰謀はめぐらせていたとは思いますが、そんなことを今さらくどくど言う必要もないけれども、一等国というのは必要な陰謀をめぐらせるから一等国であって(笑)、そんなものをめぐらせない国がよくも侵略なんかをしたものだ、やっぱり一等国じゃなかったということになってしまうんじゃないか、ということもある。それから何もかもが陰謀で進んだんだということを思わせるような御作文は、かなりパラノイアックな人の口舌にすぎない。その論文を読みながら、最後にあろうことか、日米関係は親子関係だと。しかもさらにあろうことか、日本も自立しなきゃいけない、とあるわけです。親子関係で子供が自立したら、親であるアメリカは衰えているわけであって、子供が親の面倒をみるのが保守でありますから、なんで我々がアメリカの面倒をみなければいけないのかとなる。
笑い始めたらきりがないくらい、笑いの対象になるような話ばかりで、それにひしとばかりすがっていく反左翼とは、とうの昔に縁は切っていたけれども、表立っても縁を切らざるをえない局面だなと思っていた。そういう意味において、あの田母神事件というのは問題としてはちっぽけなもにすぎないけれども、あれにすがりついたということで、いわゆる「反左翼」の名分というのはなくなっていたんですね。
彼は『ニヒリズムを越えて』なんて言ってる割にニヒルでヤクザな心性の持ち主でしょう?その辺にも親近感を感じてしまうんですな。
『LEFT ALONE』の中でスガ秀美のインタビューに応えてますが、面白いですよ。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/9784750320458.html
そう考えると彼の思想の変化は非常にわかりやすくなりますよ。
結局のところ、自称右翼も左翼も、知的レベルがアレだけど、権力に擦り寄っておいしい汁は吸いたいというだけの人たちだったのでしょう。だから田母神論文なんて、あんな論文にもなっていないようなもので感激しちゃったりするわけです。田岡元帥が、あれこそ国益を害すると激怒していましたが。なぜならば世界のインテリジェンスが知りたいけれど知ることが難しい機密のひとつが、他国の司令官の人となりなのだけど、わざわざ知的レベルが低いだけじゃなくて情報の処理までできないということを自ら露呈させてるんだから、だとw。
あれを喜んだ人は、実は国益を考えていなかったさけで、だから世の中変わると、簡単に転ぶのかなとw。
逆に執行猶予の判決を下してくれた裁判官のほうが人間として優しかったのでは、と想像してしまいます。
ところでご紹介いただいた「田岡元帥の田母神批判」は当無礼ログでも過去に記事にしております。
http://anarchist.seesaa.net/article/110554319.html
あそこは鈴木邦男さんも在特の瀬戸弘幸もなぜか右絡みの特異な人物が出てくる土地柄だね。
会津なんてのは薩長に抵抗した逆賊の誹りを受けても義を貫いた会津容保公の会津藩で俺密かにシンパシー持ってたのになあ。
邦男さんはいいんだけどなー。
右でも左でも彼の話にうなずける人は多いでしょう。そこらの心理学者より人間の本質が分かってる人だと思います。
内容については私は大体でいいと思っています。論客である西部先生は許せないと思いますが。
私の解釈では、後輩である自衛官がイラクなどへ、命の危険を犯してまで派兵されているのに、この国の歪みは何なんだということへの行動で、大衆に対する鬱憤があるのだと解釈しています。
そういう事から、理屈はどうでもよくて、行動に納得しているのですが、変でしょうか?
小泉がイラクのPKOで自衛隊の行く場所は「非戦闘地帯」とか言ってませんでしたかね?
その後の田母神さんの言動なども、是非アメリカの草の根保守に教えてあげたいものです。