その一方で貧困から娼妓へ転落するもの多数あり。しかも児童が満州・朝鮮へ多数売られるこの世の地獄。
持つ者は性を謳歌し、持たざる者は性により蹂躙されたこの時代、エロ・グロ・ナンセンス、とくとご覧あれ!
1.7 東京・小石川で銭湯帰りの若い女性20人以上に艶書を送りつけ、
「5日以内に自分の意に従わないと一家皆殺しにする」
と脅していた少年(16)が富坂署に検挙される。色男になるという願を立て、艶書はその修業のために送ったと自供。
1.8 外交員十数人を使ってエロ写真や春画を売りさばいていた男2人が、東京・大森署に検挙される。エロ写真や春画は関東大震災の際、騒ぎにまぎれて流通、発禁になっていたものと同じものと判明。
関東大震災の時は、ドサクサにまぎれて数千もの朝鮮人が虐殺されたがエロ写真も流通してたのね。
1.13 東京・吉原遊郭の娼妓千代駒が廃業を志して吉原遊郭を脱走、紡績労働組合主事岩内善作に救いを求める。
1.17 三重県桑名郡で養育料目当てに生後30日から50日くらいの嬰児5人をもらい殺害していた大須賀清太郎(45)と妻のキク(46)が検挙される。
1月…新潟市内で生活窮迫者が激増し、芸娼妓を志願する女子が300〜400人に達する。前借金は1人平均1300円で、手数料2割が斡旋人の取り分。
…「行刑衛生会雑誌」1月号で、盗みに入った家で女性の寝乱れ姿を見ると陰部を傷つけたくなり、包丁やハシを突き刺していた少年の例が報告される。女性の陰部に傷を負わせたことが2件、あやまって大腿部を刺したことが1件。
…大正天皇の御大喪の日の犯罪防止のため、警視庁が6ヶ月にわたって尾行した要観察者は延べ5344人。
2.7 7、8の両日、大正天皇の御大喪が行われる。衣冠束帯に身を固めた男性参列者のために、会場の便所には“小便筒”が多数用意される。握りコブシくらいの大きさの青竹の節をくりぬいたもので、これを着物の脇から差し入れて用を足そうというもの。参列者の股下の長さを配慮していくつかのサイズがあった。
2.9 「婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約」第5条に関する制限年齢留保撤廃を枢密院で承認され売買制限年齢18歳を21歳に。26日廊清会、日本基督教婦人嬌風会が祝賀会を開催。
人身売買が国に認められていた信じられない時代だったんだ。
2.26 岐阜県が娼妓の自由外出地域を広げる。また芸妓の外泊は警察の許可が不要となる。
注)警察がぐるとなって人権弾圧をしていたんだな。
岐阜県名物と云えばトルコ風呂しかない土地柄。まったく酷い話だ。
2月…博報堂社長の瀬木博尚がエロの大家・宮武外骨を責任者にすることを条件に東大に20万円寄贈、明治新聞雑誌文庫ができる。
この博報堂というのは電通と並ぶ、あの博報堂だぁ。瀬木博尚は創業者で粋な人だったんだねぇ。ちなみに民主党が選挙で起用したのは博報堂。自民党は電通だ。
3.10 東京の新聞・通信17社が言論の自由を弾圧する出版法案に反対して、新聞紙上に共同声明を発表。
3.12 山内みな・田島ひで・丹野セツら約20人が婦人同盟の設立準備の会合中、特高に踏み込まれ15人が検挙される。14日釈放。警視庁が婦人運動を厳重に取り締まる意向を明確にしたもの。
3.23 東京帝大生との恋に破れた後、牧師になるため男装して聖書学院に通っていた女(25)が東京・淀橋署に補導される。
3.27 山形県酒田町で、「お前の女房(34)を妾にしたい」と申しこまれた夫が月10円払うことで承諾。妻は料理屋の女中をしていたが、近所の地主(64)に見そめられ、妾になるように勧められて夫に相談した結果、夫も了承したもの。
3.27 日活女優の岡田嘉子と男優の竹内良一が映画「椿姫」の撮影中に恋の逃避行。岡田は山田隆弥の内縁の妻で、竹内は外松男爵の長男。4月1日、福岡県若宮村に潜んでいるところを保護される。
3月…女相撲の興行が禁止される。
…フランス美術展の下見で「横たわる裸女」など5点が警視庁から撤去させられる。
…福岡県が酌婦税を制定。料理店や飲食店などの客に接する婦女から4円20銭〜7円80銭を徴収するというもの。遊郭業者が公娼制を少しでも有利にするために働きかけて実現した。
※これは酷い税で、女性から直接税を巻き上げ、遊郭の雇用者は非課税というもの。この頃女性には参政権がなかったから、このようなとんでもない税も施行された。
4.5 花柳病予防法が公布される。性病の診療機関の設置が主眼で梅毒、淋病、軟性下疳が指定される。1928年9月1日一部施行、1938年4月1日全面施行。
この頃は渋谷に徘徊する女子高生の半数が感染していると云われているクラミジアはなかったんだなぁw
4月…藤森成吉の『何が彼女をさうさせたか』が出版され、タイトルが流行語に3年後には映画化された。
貧農の少女が、孤児院・曲馬団・宗教団体の養護院と冷酷な資本主義的搾取の社会に翻弄され、ついに放火するまでに追い込まれてしまう話。
…エロ本の『バルカン戦争』が刊行され、発禁となる。同じ頃、秘画集の『バルカン戦争』も出回る。1933年に絵葉書版が販売される。
5.1 東京・銀座の一流カフェ「ライオン」と「タイガー」の女給2人(20、21)が常習的密淫売で警視庁に逮捕される。警視庁の推定で1万人のカフェの女給のうち17%が売春の常習者。
5.9 内務省警保局が各県警本部へ、「肌の見える薄物を着た女性を徹底的に取り締まる」よう通達。
こりゃ、イスラム圏並み。タリバーンもビックリ!
5.17 大審院が「夫が家を出て他の女性と内縁関係を結び妻を顧みないのは、夫の妻に対する貞操義務に違反する」と判決。男性の貞操義務に関する新判例。
5.20 武藤金吉政務次官が人口増加問題について「産児制限はけ怪しからん、子どもが増えて米不足になるならみんなイモを食え」と発言。
この頃、政府は、産児制限は婦人運動と進歩的な共産主義者が積極的だったため、反社会的運動という立場であった。
5.30 東洋モスリン亀戸工場で女工5000人がストライキ、女工の外出の自由を初めて認めさせる。
このストで女工300人が逮捕されている。
5月…東京の蒲田、大井、五反田、王子、玉川、小松川(後の平井)、淀橋(十二社)の7か所が一度に二業地(置屋と待合のみ)・三業地(芸妓置屋、待合、料亭)に指定される。前警視総監が内閣の交代に伴う辞職に際し、ひそかに認可したもの。
…東京で声をかけた女性を強姦、無理やりお金を与えて売春のように見せていたイギリス人のA・C・サンドロ(29)が検挙される。この種の不良外国人は外事課のリストに載るだけで30人余。
※昔もいまも「害人」には困ったものですw
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三業地に指定された東京・小松川の土地が坪50〜55円に急騰。それまでは坪7〜8円でも買い手がなかった。大井では認可の前日に2000坪購入した人物のいることが判明。
※汚職の匂いがプンプンしますなぁ。それと一般的に花街(はなまち)と呼ばれているが、「かがい」と呼ぶのが正しい。
…山形県立米沢高等女学校の生徒750人中約200人が、市内の写真館で全裸写真を撮影していたことが判明。ある生徒は30円の報酬で全裸になっていた。
※この学校の校訓は「1. 美しい品性 2. 高い知性 3. 篤い至誠」なんだから大笑い。
6.28 東京・洲崎遊郭の娼妓浅妻(27)が楼主の虐待と重病に耐えきれず警視庁に自由廃業を訴え出る。しかし地元の洲崎署が廃業を認めず、女の身柄を妓楼に連れ戻し、叔父などに前借金の支払いを強要していたことが判明。
※警察ってのは人非人ですなぁ。
7.1 12歳未満及び14歳未満で小学校を卒業していない少女を芸妓とすることが禁止される。
7.23 新潟市社会課が娼妓172人を調査したところ、1つの家庭から数人の娼妓を出している例が多数あることが判明。
8月…岡山市内で、学齢児童が1人15〜20円で満州、朝鮮へ続々売られていることが判明。
…名古屋で「名古屋衛生博覧会」が開催され、双膣双子宮(膣と子宮が二つずつあるもの)のアルコール標本、一つ目小僧、シャム双生児などの実物、男女の性の対照見本などが展示される。
※こりゃ祭りの「見世物小屋」以下ですなぁ。
9.11 シンガポールで日本人売春婦(からゆきさん)102人が国外退去を命じられる。ただし帰国したのは21人で、あとはジャワなどに移動して商売を続けた。なおシンガポールのからゆきさんは250人から300人といわれる。
10.25 長崎県佐世保市で、同僚の海軍兵が遊郭に登楼中を狙い、その兵の妻を訪ねて姦通していた海軍兵が軍法会議で住居不法侵入に問われた事件で、妻の承諾を得ている以上不法侵入には当たらないと判決。
※いまも続く住居不法侵入罪とは、もともと「留守の妻に浮気されると兵隊の士気が落ちる」と心配した政府が考えたもの。この判決は画期的だ。
11.26 男装の麗人で「東洋のマタハリ」と呼ばれていた川島芳子(26)が結婚。新郎は粛親王に仕えた蒙古軍将軍の次男。ただし芳子はレズだったから、新婚初夜に行方をくらました。
12.1 「主婦之友」に荻野式避妊法の記事「」
12.31 内務省の調べで、全国で売春に関わる職業の女性は24万1174人。芸妓8万86人、娼妓5万56人、酌婦11万1032人。遊郭免許地は539、楼主1万1383人。
この年
※街頭に立って客を取る売春婦が「ストリートガール」と呼ばれる。円タクの助手席に乗り、客を取る「円タクガール」や消毒したガーゼを用意し、1回50銭でキスを売る「キスガール」も登場。
※エロ、グロ、ナンセンス時代という言葉が登場。
※女衒が自由営業制や届け出制から公認の職業として認可され、芸娼妓酌婦斡旋業者と呼ばれる。手数料は前仮金500円以下で10%、2000円以上は6%。
※朝鮮の芸妓は3494人(日本人1748人、朝鮮人1746人)、酌婦1546人(日本人565人、朝鮮人999人)、娼妓2882人(日本人1860人、朝鮮人1022人)、合計7940人(日本人4173人、朝鮮人3767人)。ほかに貸座敷が545軒(日本人経営320軒、朝鮮人経営225軒)。仲介業者(いわゆる女衒)2761人(日本人163人、朝鮮人2598人)。統計に女衒が初めて現れる。女衒の多いことは朝鮮の公娼制度の大きな特徴で1945年まで続く。
※博多の街合「一楽」、壁面が鏡張りの「鏡の間」を設ける。
この頃
※有名女性の首とすげ替えたヌード写真やエロ写真が横行。人気があったのは清純派女優の筑波雪子を筆頭に、夏川静江、粟島すみ子、川田芳子など。
この頃からアイコラってあったんですねぇ。
※時代劇のブルーフィルム「新郎野郎」が登場。